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尼崎で地域広報誌「むこたん」発行 武庫地区の「居場所」テーマに

「むこたん」最新号を手にする編集委員。左から土居由紀子さん、福田惇さん(同委員会会長)、福田奈都美さん(デザイナー)。子どもたちも「子ども編集委員」を務める

「むこたん」最新号を手にする編集委員。左から土居由紀子さん、福田惇さん(同委員会会長)、福田奈都美さん(デザイナー)。子どもたちも「子ども編集委員」を務める

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 尼崎市北部武庫地域のフリーペーパー「武庫広報誌 むこたんvol.6」が、11月に発行された。

2020年3月発行の「むこたんvol.4」(左)、今年11月に発行された「同vol.6」

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 「むこたん」は「むこたん編集委員会」が発行、武庫地域振興センター武庫地域課が協力する地域広報誌。「武庫をもっと知りたい」という共通点で集まった、年齢も職業もさまざまな市民が編集委員を務め、地域の情報や地元で活躍する人へのインタビューなどを掲載。公共施設や店舗、団体へ配布し、設置する。

 年2回のペースで作っていたが、2020年3月の「vol.4」発行の頃から新型コロナ禍に見舞われた。編集委員の土居由紀子さんは「一人一人に手渡したいくらい宝物の記事が詰まった『むこたん』を配れない、設置できても施設や店に人が来ない。届けられないのが悔しかった」と当時を振り返る。

 そんな中「何かできることはないか」と、vol.4の内容紹介など動画「むこtongue」を作りユーチューブで配信。ウェブで「vol.5」を公開し、vol.4発行の際にタイアップ企画を実施した尼崎経済新聞が、今年3月から4月にかけて特集ページで5本の記事を配信した。

 「取材や設置自体が自粛モード」という状況から、ようやく感染拡大が落ち着いてきたため「やはり形に残し、作品として手に取って読んでもらいたい」と、先月、紙では1年8カ月ぶりの発行となる「vol.6」を完成させた。

 特集テーマは「居場所」。同編集委員会会長の福田惇さんは「新型コロナ禍で家以外に居場所がなくなってしまった人がいる中、この状況でも頑張って『居場所づくり』をしている人たちの活動を知ってもらい、新しい居場所を見つけてもらおうと企画した」と経緯を話す。子ども食堂や高齢者の孤独を防ぐカフェ、コミュニティースペースなど武庫地区の多種多様な場を紹介する。福田さんによると、取材を進めるうちに「事前に想定したサイズでは魅力を伝えきれない」と、vol.4の8ページから今号は12ページに、「少しでも多くの人に読んでほしい」と部数も3000部から1万部に増やした。

 編集委員の一人は、取材先の例から「公共施設が、不登校や生きづらい思いをしている子に、平日昼間に堂々と来られる居場所を提供していることは画期的。子どもに知ってもらい、他の自治体や団体にもこの動きが波及してほしい」と増刷による広がりに期待する。

 「約2年越しの思いのこもったvol.6ができた。住人が自分の町を知ってもっと好きになれたら、きっとそこはすてきな町になると思う」と土居さん。福田さんは「今回の取材先は本当にすてきな場所が多いので、気になるところをのぞいてみてほしい。自分が運営する場所も載ったので、自画自賛だけれど」と笑う。

 設置場所は、武庫西生涯学習(ゆうやけ)プラザ、武庫東生涯学習(おひさま)プラザなどの公共施設、むこたんのコンセプトに賛同する店舗や団体の施設。随時増えていくため、「むこたん」のフェイスブックページで知らせる。

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