尼崎市総合文化センター美術ホール(昭和通2)で現在、企画展「須田剋太×白髪一雄 二人の曼陀羅(まんだら)」が開催されている。
市出身の画家・白髪一雄と白髪に関連する画家を、市の「白髪一雄コレクション」などを通して紹介する初の試み。今回は関連画家として須田剋太をピックアップする。
須田は1906(明治39)年、埼玉県生まれ。油画を独学し、「光風会」「文展」「新文展」など官展で活躍。戦後、関西に移り抽象画を描いた。司馬遼太郎著「街道をゆく」の挿絵を1971(昭和46)年から1990(平成2)年に亡くなるまで担当し、再び具象画を描き、書の作品も残したという。
白髪は1924(大正13)年生まれ。京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)で日本画を学んだ後、洋画に転向した。床に広げたキャンバスの上に絵の具を置き、天井からつるしたロープにつかまって、縦横無尽に足で描く「フットペインティング」という独自の手法を考案。その抽象画は国内外で高い評価を得る。2008(平成20)年逝去。同センター4階に開設された「白髪一雄記念室」では、数々の作品や資料が収蔵、公開されている。
今回の企画展では、1950年代の関西の現代美術界で共に活躍し、日本を代表する抽象画家として国際的な美術展に選ばれていた2人を紹介。「大阪府20世紀美術コレクション」の須田の作品と、市所蔵の白髪の作品を中心に「抽象と具象」「仏教」「書」などのテーマで約80点を展示する。
12月11日にはギャラリートークを開催し、同展を監修した中塚宏行さん(キュレーター・美術評論家)と担当学芸員が展示作品の解説を行う。開催時間は11時~。定員は当日先着20人。参加無料(同展の入場券が必要)。
開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。火曜、12月27日~来年1月4日休館。観覧料は、一般=800円、シニア・大学生=700円。1月10日まで。
同展の入場券で、白髪一雄記念室で開催中の展覧会「SHIRAGA×ALMOSTBLACK」も観覧可能。メンズファッションブランド「ALMOSTBLACK」の2021年秋冬コレクションを、白髪と妻の富士子の作品と併せて展示する。