「尼崎市長期実践型インターンシップ」とは?
「尼崎市長期実践型インターンシップ」とは、尼崎市内の中小企業で約4カ月間、就業を体験してもらう事業。尼崎市とNPO法人JAEがタッグを組み、尼崎市と地元企業のよさを知ってもらおうと企画したもので、行政が長期で就業体験を行うのは全国的にもめずらしい取り組みです。
尼崎市の顧問で、「尼崎市長期実践型インターンシップ」のアドバイザーを務めた船木成記(しげのり)さん、JAEで企業と学生のコーディネーターを務める小澤香菜さんに、同事業のこと、そして尼崎への思いをうかがいました。
■船木成記(ふなきしげのり)さん(尼崎市顧問)
-インターンシップを長期で実施する理由は?
世間ではインターンシップが流行っていて、中には学生を「お客様」として扱う企業もあるけれど、この事業では長い期間を設けることで尼崎という街を知ってもらいたいという思いがありました。
-「長期実践型インターンシップ」を実施することで、これから尼崎がどうなることを望んでいますか?
「尼崎」の現状は、市外に住む学生にとっては神戸や大阪へ向かう際の「通過する街」。長期インターンシップが、地元企業の良さを学生に知ってもらうと当時に、尼崎という街に触れてもらう良い機会となり、将来の定住候補として考えてもらえたらうれしいです。
■小澤香菜さん(NPO法人JAE コーディネーター)
-今回どんな学生が集まりましたか?
インターンシップに参加している5人のうち4人は尼崎に縁のなかった学生でした。営業や企画など、それぞれ取り組みたいテーマが明確にあり、実社会の中でそのテーマを実践すべく、4カ月間を走り抜けました。学生側から「物事に取り組む姿勢が変わった」「社長と接することで、思いや考え方に触れることができた。こんな熱い人に会えてよかった」「尼崎にご縁ができ、今後もつながっていきたい場所になった」などの声が聞かれました。
-小澤さん自身、尼崎の企業についてどんな印象を受けましたか?
尼崎にはものづくりや独自の技術力に誇りを持った企業が多いことを知りました。地域密着のイベント企画や新規事業の立ち上げなど、新たな挑戦に取り組む姿勢も印象的でした。
-受け入れ企業からはどんな反応がありましたか?
どの企業も長期間の受け入れは初めてで、新しく取り組むプロジェクトにインターン生が参加するといった内容でした。「インターン生が一緒にプロジェクトに入ってくれたことで、自社だけではできなかったことができた」という声が聞かれました。ほかにも「社内に活気が出た」「若い世代との関わり方のポイントが掴めた」という反応もありました。
●NPO法人JAE