昆陽池公園(伊丹市昆陽池3)で9月22日・23日、音楽フェス「ITAMI GREENJAM」が開催される。2014(平成26)年に始まった同イベントが今年で11年目を迎えるに当たり、主催する一般社団法人 「GREENJAM」代表理事の大原智さんに、この10年の歩みと11年目に懸ける思いを聞いた。
「昆陽池公園で音楽フェスを」との思いで集まった若者が中心となって始めた同イベント。当初は地元・伊丹で開催するフェスとして、「伊丹を強調したイベントは結果的に伊丹のためにならないのでは」と考え、伊丹出身者、伊丹の店といった理由で出演者や出店者を優先することを避けたという。
大原さんは、「あくまでかっこいいか、面白いかどうかを判断基準にして続けてきた。そのうちに規模が大きくなり、たくさんの人に愛されてイベントの土台がしっかりしてきた」と振り返る。「そんな今だからこそ、伊丹というスパイスを意図的に入れていくことで、『ローカル文化祭音楽フェス』ができるのでは」とも。
同イベントでは音楽ステージのほか、「市民表現のプラットフォーム」として幅広い世代の市民が出演者や作り手、提供者になって運営に関わり、フード、物販、ワークショップなどのブースを展開する。
昆陽池公園でのGREENJAM開催は今回で7回目。この10年間、荒天やコロナ禍などの困難に見舞われた。「GREENJAMの本質である『市民表現文化祭』として、会場分散や大阪に会場を移しての開催など、その時に応じたさまざまな形で活動を続けてきた」と大原さん。
2020年は、伊丹市内のイオンモール伊丹昆陽、イズミヤ昆陽店、三軒寺前広場の3会場で市内分散型市民文化祭として「ITAMI CITY JAM」を開催した。2021年は大阪でライブイベント「EVERGREEN LIVE」を開いて、その模様を収録。後日、イベントの映像に伊丹市内の飲食店や団体を紹介するコーナーを交えた「グリーンジャム TV」という番組を企画・制作し、地域ケーブルテレビ局「ベイコム」で放送した。2022年には、会場を伊丹の隣町である大阪府池田市に移して「GREENJAM」を行った。
2023年は昆陽池公園で「ITAMI GREENJAM」を開催し、10周年という一区切りを迎えて「本当に次の開催を目指すのか、実行委員を中心に初めて検討した」と大原さん。「やめようと本気で思ったが、3カ月ほどかけて話し合い、紆余(うよ)曲折を経て11年目へ向かうことになった」と話す。 「11年目の開催を決めるのは『続ける』と決意することであり、続けるにはお金とモチベーション、次世代につないでいくことが重要になる。今年掲げたテーマの『Restart』には、継続を前提として初心に戻って取り組もうという思いを込めた。決めた限りは15年、20年を見据えて、唯一無二のローカルフェスティバルを作る覚悟」と意気込む。
「さまざまな人たちのおかげで多くの人に愛されるイベントになってきたが、継続するには企業や団体、来場者など皆さんと協力し合っていくことが必要。入場無料で行ってきたITAMI GREENJAMに昨年、実験的に導入した一部有料エリアもその一つ。だが、『有料』という言葉も使いたくなく、今年はもう少し意図に沿った名称にしたいと考えた」と大原さん。
「ITAMI GREENJAMは市民参加型の表現文化祭。来場者一人一人が『また行きたい』と思った時にこのイベントが続いているように、協力してもらえたらうれしい。みんなが少しずつ協力し合うことで『こんなに手軽で自由に最高の休日を過ごせる場を実現できる』と証明し続けたい。ライブステージ前エリアのみ『サポーターパス制』というチケットの名称を予定しており、イベントのシステムを含め、その思いを込めて準備を進めている」と話す。「9月22日・23日は昆陽池公園で、優しい気持ちと高揚感で『最高の休日』を過ごしてほしい」と来場を呼びかける。
7月12日に新たに発表された出演者は、GOING UNDER GROUND、下津光史さん(踊ってばかりの国)、水曜日のカンパネラ、MOROHAの4組。第1弾発表のGEZAN、田島貴男さん(Original Love)、フラワーカンパニーズ、ミラクルひかるさんと合わせて8組が発表となった。後日、追加発表を予定する。
開催時間は10時~17時。入場方法は後日ウェブサイトで知らせる。
伊丹の音楽フェス「ITAMI GREENJAM'24」、 第1弾出演者発表 (2024年の記事)
伊丹の音楽フェス「ITAMI GREENJAM」 出演アーティスト40組以上 (2023年の記事)
伊丹市で「ITAMI CITY JAM」 ライブステージやフードエリア、アート展示など (2020年の記事)