上田康夫先生
尼崎市立武庫幼稚園長。尼崎市内の小学校教諭、小学校長、幼稚園長を経て、令和2年4月から現職。4人のお子さんのお父さん。
父親の子育てをめぐって対談した『むこたん』編集委員(リンク:前回記事)。今回は、子どもの成長について父親の関わり方を知るため、尼崎市立武庫幼稚園の上田園長先生にお話を伺いました。(聞き手:福田惇、勝部尚樹)
『むこたん』編集委員 本日はよろしくお願いします。
上田園長先生 こちらこそよろしくお願いします。
基本的な生活習慣を大切に
『むこたん』編集委員 市内のさまざまな小学校や幼稚園に勤めていらしたんですよね。武庫地区についてどうお感じになっていますか?
上田園長先生 武庫地区は自然も残っており、さわやかでゆったりしている地域という印象です。子どもも落ち着いていると感じています。
『むこたん』編集委員 『むこたん』vol.2(平成31年3月発刊)では、小学校入学という環境の変化による不安、「小1のカベ」について特集しました。小学校と幼稚園、両方の現場を経験されて、違いはどのようなところにあると感じられますか?
上田園長先生 幼稚園は遊びを通して自由に学んでいくところですが、小学校はそれが一変します。小学校に入ったときに、じっと座って人の話が聞ける、チャイムで動ける、着替えができるなど、基本的な生活習慣が身についていることが大事です。武庫幼稚園では、遊びや普段の生活の中で、そういったことが自然と身につくことを目指しています。
『むこたん』編集委員 小学校に入る前に身についていることが大事なんですね。就学前教育の重要性は、近年特に注目されています。
上田園長先生 幼児教育の必要性は高まっています。小学校1年生を担任していた時期もあったので強く思いますが、幼児教育において小学校の生活に必要な下地を作ることは、学力の基礎になる部分を育てることです。それはやはり、人の話を聞く、時間を守るなどの基本的な生活習慣です。
そういったことを踏まえて、先生の間でも幼小の交流の機会を作ろうと、幼稚園の先生による武庫地区の小学校への見学を考えています。小学校の教育を意識した幼児教育をしていくためです。
父親の関わりとは
『むこたん』編集委員 子育てにおける父親の関わりについて教えて下さい。
上田園長先生 親にとって大事なことは、子どもが何をしているかを知ることです。時間の確保がなかなか難しいとは思いますが、ぜひ幼稚園や小学校に行って、子どもが何をしているかを見てほしいです。それから、子どもとの関わりの基本は家庭です。家で、子どもが園や学校でしていた活動の続きを一緒にしてほしいと思っています。
『むこたん』編集委員 子育て現場に男性が少なく、編集委員は「ママ友がいない」という悩みを持っています(前回記事参照)。
上田園長先生 ママ友とのコミュニケーションをとるのも、自分の仕事だと思うことですね。恥ずかしいと思うかもしれないけれど、役目だと思って積極的に話しかける。受け身ではなく、自分から攻めていくということです。
『むこたん』編集委員 なるほど、やってみます。
子育てはまじめに一生懸命
『むこたん』編集委員 最後に、武庫地区のパパにメッセージをお願いします。
上田園長先生 これは自分自身の子育てに対する反省を込めてですが、父親としてまじめに一生懸命関わることが大事だと思っています。誰かに任せる部分があっても、夫婦でお互いに何ができるのかを話し合って、一緒に協力するという姿勢を持つことは大前提です。まじめにやれば、周りの信用も協力も得られます。私ももう一回子育てできたら、もっとまじめにやりたいです。
『むこたん』編集委員 心がけようと思います。今日はありがとうございました。
2020年10月12日@尼崎市立武庫幼稚園
※当記事は武庫広報誌「むこたん」とのタイアップ企画です。