阪神・尼崎センタープール前駅(尼崎市水明町)高架下に4月12日、子ども向け無料体験型学習施設「阪神電車まなび基地」が新設された。
阪神電鉄開業110周年記念事業の一環として、旧車両や運転士教習所などを活用した同施設。
1905(明治38)年4月12日に大阪-神戸間が開通した阪神電鉄では同日、記念式典を開き、藤原崇起社長、稲村和美尼崎市長、これから施設を見学する子どもたちがテープカットを行った。藤原社長は開業110周年を迎え、「これからも利用する人のライフスタイルに合わせた親しみやすい電車として利用してもらいたい」と語る。
式典後は、親子30組60人が参加して同施設見学会が行われ、大正・昭和時代に活躍した601形604号と1141形1150号車両や、高架下の有効利用として2014年から本格的に生産が始まった「阪神野菜栽培所」の見学、実際に運転士の教習所として使われる施設で運転シミュレーターによる職業体験などを行った。
小学5年の息子と神戸から参加したという女性は「貴重な体験ができる施設だと思う。野菜栽培所の見学もあり、普段はあまり野菜を食べない息子も興味が出るかも」。小学5年の娘と参加した男性は「親子そろって電車好き。地元尼崎にこういった施設ができてとてもうれしい」と笑顔を見せていた。参加した子どもたちからは「運転席が普通と違ってかっこいい」「自由に見学できてうれしい」「お金があれば電車を購入したい」などの声が上がっていた。
同電鉄では今後、団体向けの親子見学イベントや小学校の社会科見学などの受け入れにも対応していく方針という。広報担当者の瀧川雅則さんは「当施設を通じ、阪神電鉄に親しんでもらいたい。職業体験などで子どもたちに社会勉強してもらうと同時に、同社の安全に対する取り組みについても知ってもらえたら」と期待を寄せる。