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尼崎の富松幼稚園で最後の七夕祭 地域に見守られ47年

結び付けた短冊には「およげるようになりたい」

結び付けた短冊には「およげるようになりたい」

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 尼崎市立富松(とまつ)幼稚園(尼崎市富松町3、TEL 06-6422-2208)で7月7日、七夕祭が開催された。

富松幼稚園外観

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 同園は1969(昭和44)年に設立され、47年間にわたり富松の子どもたちを受け入れてきたが、2012年に策定された市の「幼稚園教育振興プログラム」により、本年度で閉園となることが決まっている。

 同園では「園児たちの成長のためには地域との触れ合いが大切である」との考えから、さまざまな団体の協力を得て地域の歴史・伝統や文化に触れる機会を設けている。地域の伝統野菜「富松一寸豆」の栽培・収穫への参画や、伝統の藍染め体験のほか、七夕行事は地域に残る貴重な中世史跡である富松城跡で行ってきた。

 今年はあいにくの雨模様で園内のみの行事となったが、「富松城跡を生かしたまちづくり委員会」の協力の下、城跡で採取した竹ザサに11人の園児たちが願い事を書いた短冊や手作りの七夕飾りを結び、元気に七夕の歌を合唱した。それぞれの願い事を発表し合う場面では、「およげるようになりたい」「ケーキやさんになりたい」などの他、「ようちえんがおしろのようになりますように」「ようちえんがひろいにわになりますように」など、園の行く末に思いをはせるメッセージも。竹ザサは後日、城跡に運ばれて取り付けられる予定。

 「富松は歴史ある素晴らしい地域。この地域に幼稚園がなくなるとは本当に残念」と千原智美園長。統合先の塚口幼稚園でも子どもに地域文化を伝える活動を受け継いでもらえるよう、働き掛けを行っているという。

 委員会の代表、善見壽男(ひさお)さんは「地域の歴史を伝える活動は、子どもの健全な成長のためだけではなく、伝えたいと思う大人たちが集う機会でもある。これは生涯学習の一環。こうした活動から隣近所のつながりを生み、よりよい地域にしていけたら」と意欲を見せる。塚口幼稚園でも、要請があれば協力を惜しまないとの考えを示した。

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