尼崎市は3月1日、自転車総合ポータルサイト「尼っ子リンリン」をフルオープンする。現在もプレオープンしている。
フルオープンに向け、さまざまな情報を更新している「尼っ子リンリン」トップページ
同市は2010年の国勢調査で、移動手段として自転車を利用している人の割合が28.6%に上り、人口10万人以上の都市では全国5位、兵庫県内では1位となっている。高低差がほとんどない平坦な地形で、中心地から市境まで東西南北ともに5キロメートルほどとコンパクトな市域であるため、自転車が身近な交通手段となっているという。
自転車といえば、交通事故や不法駐輪、盗難といった課題に目を向けられがちだったが、環境や健康、観光、経済活性といった魅力に転換することを目指し、同市では2015年から「自転車のまちづくり」を推進。コミュニティーサイクルや自転車盗難対策の社会実験、自転車レーンの整備、コスプレイヤーが集まるサイクルイベント企画などのほか、2017年10月には「尼崎市自転車のまちづくり推進条例」を施行した。取り組みが評価され、兵庫県において「ひょうご自転車まちづくり」のモデル自治体にも指定されている。
同サイト開設も取り組みの一環。市内の自転車に関する情報を幅広く扱い、「自転車の運転ルール&マナー」「自転車の盗難・防犯対策」「駐輪場や市内の自転車店、サイクリングスポットのマップ」「ママチャリ健康法」「自転車の経済効果」など、さまざまな切り口から紹介している。
市生活安全課の毛利渉さんは「3月1日のフルオープンでは、『自転車ルール・チャレンジテスト』を公開。初・中・上級編と楽しく学びながら、自転車のルールやマナーを学べるようにしている。上級編になると、『夜のライト(前照灯)の色は何色でもよい?』など難易度高めに。内容は定期的に入れ替える予定で、何度チャレンジしても楽しんでもらえるように工夫している」と話す。
同課の川本勝寛さんも「情報発信だけではなく、参加型コンテンツも取り入れている。『尼っ子リンリンご意見箱』では、市民のみなさんからお薦めのサイクリングコースや自転車だからこそたどり着けるスポットなどの情報を提供してもらい、実際に取材して記事にすることも考えている。ツイッターやブログでも情報を発信していくので、役立ててもらえたら」と呼び掛ける。