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尼崎で「眠りたくなる朗読会」 図書館でシエスタ体験

朗読した奥田さんは「大人を寝かし付けたのは初めて」とほほ笑む

朗読した奥田さんは「大人を寝かし付けたのは初めて」とほほ笑む

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 尼崎市立中央図書館(尼崎市北城内、TEL 06-6481-5244)で12月1日、「眠りたくなる朗読会」が開かれた。

「眠り」に関する実用書、絵本、小説なども幅広く紹介

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 「本を読んでいるとつい寝てしまうが、図書館で寝ると注意される」という利用者の悩みを受け、「ならばゆったりとした朗読を聴きながらちょっとだけ、昼下がりの図書館で昼寝してもらおう」と実現した同企画。「みんなの尼崎大学」オープンキャンパスのグループワークでアイデアが持ち上がり、中央図書館が全面協力した。

 当日は20人以上が参加。会場のセミナー室では窓を暗幕で覆って照明もやや暗めに落とし、話し声もひそやかに進行した。朗読の前に「健やかな眠りについてのレクチャー」が行われ、上級睡眠健康指導士の樋口まりさんが登壇。「日本人の平均睡眠時間は最近40年間で1時間減っており、先進18カ国中下から2番目」「日中に眠気を感じる人は男女とも約50%に上る」などの問題点を指摘しながら、睡眠や少しの昼寝が脳や体に与える作用や、質の良い睡眠を取る方法などを静かに紹介した。

 朗読が始まると室内の照明が消され、明かりは朗読者の手元を照らすスタンドのみとなった。司書の奥田友子さんは声の抑揚を抑え、低めのトーン、ゆっくりとしたリズムで島崎藤村の詩集を朗読し、会場は静かな寝息に包まれた。朗読後も数分間は昼寝タイムが延長された。

 照明がともり参加者らが目を覚ますと、司書の山本美和さんが締めくくりのあいさつとともに同館が所蔵する「眠り」に関するさまざまな書籍を紹介。子どもを寝かし付けるのに抜群の効果があるという絵本「おやすみ、ロジャー」(カール=ヨハン・エリーン著)、眠ることができなくなった女性の物語「眠り」(村上春樹著)、伊集院静さんの自伝的小説「いねむり先生」などをレビューすると、参加者たちは興味深そうに書籍を手に取り、そのまま借りていく人たちもいた。

 参加した女性は「眠る前よりも頭がすっきりした。20分の昼寝でも、こんなに効果があるとは」と笑顔を見せた。

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