特別展「尼崎市指定文化財の精華」が現在、尼崎市立歴史博物館(南城内)3階企画展示室で開かれている。
1983年に指定された「絹本著色涅槃図(けんぽんちゃくしょくねはんず)」(長遠寺所蔵)。展示は10月29日まで
1983(昭和58)年3月に「尼崎市指定文化財」第1号が指定されてから、今年で40年を迎えたことを記念し開く展覧会。前期は市内寺院や神社が所蔵する文化財を、後期は同博物館所蔵、寄託文化財などを中心に展示する。主催は市教育委員会。
同館学芸員で特別展を担当する服部早希さんによると、時代や戦国武将などテーマやジャンルを絞って文化財を展示することはあっても、時代を問わず絵画や彫刻、古文書、歴史的資料、工芸品などさまざまなジャンルを一緒に展示する機会は少なかったという。「歴史に詳しくなくても、細かい装飾など芸術的な観点からも楽しめると思う。気軽に足を運んでもらい、『こんなものが残る尼崎ってすごいやん』と思ってもらえたらうれしい」と笑顔を見せる。
関連イベントとして、10月28日、11月12日・18日に学芸員が展示資料を解説する「ギャラリートーク」(当日受け付け、定員30人)、11月5日に関西大文学部教授の長谷洋一さんを招いた講演会「尼崎市の仏教美術 指定品を中心に」(要申し込み、先着90人)を開く。開催時間は、ギャラリートーク=14時~15時、講演会=14時~15時30分。
3階展示学習室では「わがまち誇りの指定文化財写真展」も開催。建物や石造物など展示が難しいものや、国・県指定文化財を写真で紹介する。服部さんは「さまざまな理由から実物展示はどうしても数が限られるが、写真展を同時開催することで、普段生活する街中にたくさんの文化財があるんだと実感してもらえたら」と話す。
開館時間は9時~17時(入館受付は16時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入場無料。会期は、前期=11月30日まで、後期=来年1月6日~3月24日、「わがまち誇りの指定文化財写真展」=来年3月24日まで。