「アームロボット講習会 ロボメイツ」が2月3日、市立琴ノ浦高校(尼崎市北城内)で開催された。
教育プログラム作成の様子。双星高商業学科の生徒が課題研究の時間を使って内容を考案し、大学生インターンはサポート役を担った
動画・ウェブコンテンツ制作などを手掛けるエアグラウンド(南武庫之荘2)が立ち上げた、ものづくりの現場で導入が進む「産業用ロボット」に焦点を当てるプロジェクト「ロボメイツ」の一環。市立尼崎双星高校商業学科の生徒、同社が受け入れている大学生インターンらと共同開発した「子ども向け産業用ロボット教育プログラム」を基に、より実践的な「ロボットオペレーターを目指す人へ向けた講習会」として実施した。
「子ども向け産業用ロボット教育プログラム」は、小型のアームロボットを実際に触りながら、動作をプログラムする「ティーチング」や、工場などで稼働するさまざまな産業用ロボットについて学べる内容で、「産業用ロボット特別教育インストラクター」も監修に参加した。つかむ、運ぶといった簡易的な動きをプログラミングして操作する体験を「足掛かり」として、ロボットやものづくりに興味を持ってもらい、将来的に現場で活躍する「ロボットオペレーター」の育成につなげることを目的とする。
講習会には、琴ノ浦高2年生15人が参加。「『琴ノ浦まんじゅう工房』が発売する商品『みかんまんじゅう』が人気となり、手作業では注文に対応できないため、自動で箱詰め作業などを行うアームロボットを導入した」という設定で、生徒らは「新人ロボットオペレーター」に扮(ふん)し、作業効率を向上させる生産ラインの構築に挑戦した。ロボット操作体験のほか、最新の産業用ロボットやロボットを使った仕事などを紹介する動画上映も行った。
参加した生徒からは「ロボットの微調整が難しかった」「実際にロボットが動くと楽しい」「ロボットが欲しくなった」「また参加したい」などさまざまな声が上がった。中には、次回へ向けた改善点として「時間が短かった」「もっと難易度を上げてもいいかも」といった意見も聞かれた。
琴ノ浦高機械系列 丸本利幸教諭は「いきなり本物の実機を使うのは故障や破損などのリスクが高く、学校に実機があったとしても1台しかないケースが多いため、実習で生徒一人一人が使うとなると時間がかかる」と教育現場の現状を話す。「今回使用したのは小型アームロボットだが、産業用ロボットとデザインも近くティーチングの概念も一緒なので、遊び感覚というより十分に『講習会』と言える内容。ロボットに触れるきっかけとしてとても有効だと思う」と期待を込める。
エアグラウンドの畠中裕介社長は「今回は『まんじゅう工房』という設定にしたが、これはインターンのアイデア。今回の講習会にはアシスタントとしても参加してもらい、高校生からの質問にもすぐに対応してくれた。おかげでスムーズに講習会を進めることができた」と笑顔を見せる。