買う 暮らす・働く 学ぶ・知る

尼崎の企業が静電気発生しにくいプラスチック容器開発 静電気火災のリスク軽減

「帯電防止容器 REO-100」(右)と従来品の帯電比較。「製品が形になり、原薬メーカーに使ってもらったところ『従来のものと全然違う』と好評を頂いた」と森本さん

「帯電防止容器 REO-100」(右)と従来品の帯電比較。「製品が形になり、原薬メーカーに使ってもらったところ『従来のものと全然違う』と好評を頂いた」と森本さん

  • 20

  •  

 スイコー(尼崎市西向島町)が12月1日、新商品「帯電防止容器 REO-100」を発売した。

ふたは、レバーバンドで留まる仕様に

[広告]

 「回転成形」によるプラスチック製タンク、容器、遊具などを手掛ける同社。尼崎に本社を置き、北海道から九州まで製造拠点5カ所、営業拠点6カ所を構え事業を展開する。

 「帯電防止容器 REO-100」は、静電気が発生しにくい性能を持つプラスチック容器で、容量は100リットル。同社によると、静電気が10キロボルト以上になると発火の恐れなどがあるが、「帯電防止容器 REO-100」は電位を1キロボルトに抑えることができる上、帯電防止容器として100リットルという容量は「業界初」だという。

 粉体を扱うことが多い業界では、静電気によるほこりの付着、異物混入、清掃の手間など、プラスチック容器にまつわるさまざまな問題や課題があり、中でも「発火・引火のリスク」は大きな懸念点となっている。粉じん爆発を含む静電気誘因の火事は全国で年間約100件発生しており、問題解決として、金属や紙などプラスチック以外の容器で対応することもあるが、価格や耐久性など扱う上での難点もあった。そんな中、同社へ実際に火災を経験した北陸の会社から「静電気が発生しにくいプラスチック容器ができないか」との声が届き、新商品開発に着手したという。

 同社ではこれまでも、顧客のニーズに応える形で「強い耐熱性」「燃えにくい」といった特性を持つプラスチック容器を手掛けてきた。同社開発本部の森本照剛さんは「金属や紙の容器はあっても、やはりプラスチックの方が扱いやすい。プラスチックは『静電気が発生しやすいもの』という考え方が一般的だったが、お客さまの声に応えたいと思い開発に取り組んだ。静電気が発生しにくいメカニズムの構築、試験、試作など、開発に3年かかった」と振り返る。

 現在、サイズは100リットルのみだが、今後はサイズのラインアップを増やすことや、オーダーメードへの対応も視野に入れているという。森本さんは「お客さまの声に応えていきたい。声が集まれば、また新たな商品が誕生するかもしれない」と期待を込める。

 販売価格はオープン(参考価格=1台3万円以下程度)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース