「ヤングケアラー」について啓発する動画が現在、武庫西生涯学習プラザの壁に投影されている。
尼宝線に面した同施設。市が進める「市民提案制度」で出た「市営住宅外壁をアートに活用する」という案と、市の自主研究グループ「壁ゲーマーズ」の活動を組み合わせ、企画が実現したという
尼崎市こども青少年課、武庫地域課らによる取り組み。武庫西生涯学習プラザ東側の壁に、ヤングケアラーについて語る動画を投影し、問題や課題を広く発信する。交通量が多い県道「尼宝線」に面し、近隣高校へ通う生徒も施設前を行き交うことなどから、投影場所に決まったという。
動画は、「家族の世話は当たり前だが本当は友達と遊びたい」「事故で歩けなくなった猫の世話をしている」「遠足も運動会も兄弟のお弁当は私自慢の味です」などさまざまなケース(フィクション)を語り、最後に「私はヤングケアラーですか?」と視聴者に問い掛ける内容。当事者が抱える事情や事例、さらに感情などを含めると「これがヤングケアラー」という明確な線引きが難しいことから、容易に想像できるストーリーと「自分なりに解釈しないと判断できないストーリー」を織り交ぜているという。
動画制作は、現代アートを手掛けるアートコレクティブ「German Suplex Airlines」(尼崎市上ノ島町)が担当。ヤングケアラーの現状をしっかりと学んだ上で制作に臨んだ。出演者はヤングケアラー当事者ではなく、ユース交流センターや生涯学習プラザを利用する若者を中心に依頼したという。
動画は11月30日まで不定期で投影。投影時間は18時~20時ごろ。雨天時は投影しない。