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尼崎市内の事業者が妖怪プラモデルを製作 兵庫県福崎町の町おこしに一役

妖怪プラモデルシリーズ第3弾「鬼」のパッケージ

妖怪プラモデルシリーズ第3弾「鬼」のパッケージ

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 尼崎市内の製造事業者らでつくるグループが、兵庫県の福崎町観光協会から依頼されて商品開発したプラモデル「福崎町妖怪プラモデルシリーズvol.3 鬼」が7月22日、発売される。

塗装前の様子。コロナ禍による巣ごもり需要で、プラモデル販売が伸びているメーカーもあるという

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 民俗学者・柳田国男が生まれ育った福崎町では、柳田が研究した「妖怪」を町づくりのテーマにしている。妖怪プラモデルシリーズでこれまでに発売された「河童(かっぱ)」や「天狗(てんぐ)」は、リアルな造形で話題となり、延べ1万個を販売した。

 同観光協会が新商品の生産について、従来品を製作した中国から国内への変更を検討していたところ、2019年に尼崎市内事業者が連携して「尼崎城のシャチホコ」プラモデルの商品開発を行った実績を知り、「新商品は尼崎で作りたい」と依頼。今回の第3弾「鬼」のプロジェクトが2020年5月に始まった。

 プロジェクトには、専門分野の異なる市内、大阪府豊中市の6事業者、尼崎地域産業活性化機構、尼崎城のシャチホコプラモデルで実績のあるコーディネーターが参加。中野製作所(尼崎市潮江5)が3Dデータ制作、小森設計事務所(豊中市)が金型設計、甲斐精密(尼崎市三反田3)が金型製作、山八化成工業所(潮江4)が射出成型、三浦マーク製作所(浜2)が印刷、尼崎あぜくら作業所(若王寺3)が梱包(こんぽう)を担当。尼崎地域産業活性化機構が実施する「専門家派遣事業」を活用してコーディネーターを派遣し、商品開発のアドバイスや、原型制作者の福崎町観光協会から製造事業者へ指示が伝わりやすいような橋渡し、各分野を横断した連絡調整などを行った。

 同機構担当者は「日頃は大手メーカーの下請け・孫請け業務を担う事業者が、得意分野で力を合わせることで町ぐるみで一つの工場のように機能し、模型の業界人をも驚かせるクオリティーの商品が完成した」と成果を語る。妖怪「鬼」の土俵入りをテーマにしたプラモデルの製作で難しかった箇所については、「太ももからすねを一体にした場合の膝の曲げた裏側。他の形状を見つつ抜くのは厳しく、滑らかに形状を修正できないので、膝上で分割できる向きを探った」と話す。

 プラモデルのサイズは高さ74ミリ、幅82ミリ、奥行き44ミリ。自分で組み立て、好きな色を塗って仕上げる。価格は1,980円。福崎町観光協会のホームページで予約を受け付けている。

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