尼崎市出身・在住の漫画家、尼子騒兵衛さんの個展「尼子騒兵衛展 『落第忍者乱太郎』『忍たま乱太郎』はこうして生まれた!」が7月17日から、尼崎市総合文化センター(尼崎市昭和通2、TEL 06-6487-0800)美術ホールで開催される。
初掲載作品「田舎押領使一家」の原画。1979(昭和54)年、別冊マーガレット
尼子さんは漫画「落第忍者乱太郎」の作者で、原作を務めるアニメ作品「忍たま乱太郎」はNHK最長寿アニメとして1993(平成5)年から現在まで放送され続けており、「乱太郎」の世界は絵本、映画、ミュージカルと多方面に広がっている。
今回の個展では、絵を描くことや歴史が好きで、面白いことを伝えたいという自身のルーツから、「乱太郎」原作者としての仕事まで、原画や資料など初公開の原画を含む約1500点を通して尼子さんの画業をたどり、人物像に迫る。
個展開催のきっかけは、2019年に33年続いた漫画「落第忍者乱太郎」の連載が終了し、一つの節目を迎えたこと、同年11月に尼崎市と尼子事務所が同事務所所有資料の保存・活用に向け協定を結んだことであり、現在、その作品や資料の数は約2万7000点にも及ぶという。稲村和美尼崎市長を委員長に、尼崎商工会議所、尼崎信用金庫、尼崎市文化振興財団、あまがさき観光局、尼子事務所、NPO法人あまがさきエコクラブで構成された「尼子騒兵衛展実行委員会」が主催する。
同委員会事務局を務める市役所文化振興担当の金子松美香さんは、「これまで『落第忍者乱太郎』原画展や『忍たま乱太郎展』は全国各地で開催されてきたが、尼子騒兵衛さん自身に焦点を当てた展覧会の開催は全国でも初めて。『落第忍者乱太郎』の原画はもちろん、尼崎に住む人にとって身近なキャラクターの原画なども展示する。子どもから大人まで、たくさんの人に楽しんでもらえる展示となっているので、来てほしい」と見どころを語る。
展示は5章構成。第1章では学生時代からデビュー前に描かれた漫画やイラストを、第2章では漫画「落第忍者乱太郎」の連載初回紙面や原画、制作資料などを展示。第3章ではアニメ「忍たま乱太郎」について、挿入歌などつながりの深いエピソードに触れながら、テレビ放送、映画、ミュージカル、グッズなどについて紹介する。尼崎との深い縁が分かる第4章では、尼子さんのデザインした自治体や企業のキャラクター原画などの資料を展示。第5章では尼子さんの忍者道具コレクションほか、昨年から始めた連載の原画、7月から市内に設置予定でキャラクターをモチーフにした「久々知兵助マンホール」の原画や実物など、意欲的に絵を描き続ける尼子さんの最近の活動を紹介する。
開館時間は10時~19時(入館は18時30分まで)。火曜休館。観覧料は、一般=1,200円(前売り800円)、シニア・中高生=800円(同600円)、小学生=400円(同300円)。市内の小学校に通う児童は無料。前売り券は7月16日まで販売。このほか、グッズ付き前売り券を尼崎市役所文化振興担当(尼崎市東七松町1)などで販売する(予定枚数に達し次第、販売終了)。会期中は、尼崎城および尼崎市総合文化センター展覧会場で尼崎城セット券の販売も行う。
9月26日まで。開館時間、会期など新型コロナウイルス感染状況により変更の可能性あり。