尼崎市立長洲小学校(尼崎市長洲東通3)で4月22日、太陽光で世界一周に挑戦するソーラー・インパルス2の日本上空飛行を記念し「バイエル イノベーティブ飛行機教室」が開催された。
人類初の挑戦として太陽光での世界一周飛行を目指し、 3月9日にアブダビを出発したソーラー・インパルス2。バイエル社は同プロジェクトに技術提供しており、同機が搭載した断熱素材の原材料となるポリウレタンの応用開発を担うのが尼崎にある同社のイノベーション・センターであることから、開発拠点の地元代表として長洲小学校の5年生を対象に教室を実施した。
教室では、国内で初めて電動飛行機による有人飛行に成功した日本のソーラー飛行機の第一人者、四戸哲(しのへさとる)さんが教壇に立ち、ソーラー・インパルスが化石燃料を一切使わず太陽光だけで長距離飛行する仕組みや技術の革新性、人々の夢や憧れがどのように技術革新を生み出してきたかなどを分かりやすく解説した。四戸さんの話にすっかり魅了された様子の子どもたちからは「雨の日は飛べるのか」「パイロットは飛行機の中で何をしているのか」「飛行機に酔わないのか」「ソーラーパネルは途中で故障したりしないのか」「強い風で翼が取れたらどうするのか」など、多くの質問が飛び交った。
レクチャーの後は四戸さんの指導の下、全員がゴム動力飛行機作りを体験し、出来上がった飛行機で滞空時間競争が行われた。滞空時間計18秒で優勝した男子生徒は後日、ソーラー・インパルス2の日本上空飛行に合わせパイロットと通信を行う予定。現在中国上空を時速約70キロで飛行しており、日本上空に到達するのは天候の影響にもよるが、5月上旬と予想されている。
5年生を受け持つ後藤先生は「理科が好きという生徒が多く、皆この教室をずっと楽しみにしていた。今日の体験をこれからの勉強につなげてほしい」と目を細めた。