兵庫県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター（尼崎市南塚口町3、TEL 06-6426-1940）で1月12日、同劇場に付属するピッコロ演劇学校に体験入学できる恒例のオープンキャンパスが開かれる。

昨年のオープンキャンパスの様子

　オープンキャンパスでは、ピッコロ演劇学校の現役学生と共に劇表現授業を体験できる。2時間の授業に加え、30分ほどの学校説明会も行う予定。

　ピッコロシアター広報の古川知可子さんによると、「演劇に必要なのは実はコミュニケーション力。自分を知り、他の共演者と信頼関係を築くことで演劇力が高まる。そこで授業では『だるまさんがころんだ』のような遊びをアレンジし、楽しみながらコミュニケーションを通じて演技を体験していく。毎年、定員の50人をオーバーするほどの申し込みがくる」という。体験入学では実際に大ホールの舞台に立って授業を体験できる。

　兵庫県が運営するピッコロシアターは、全国でも珍しい劇場・劇団・演劇学校が一体となった組織。1978（昭和53）年のシアター開館以来、演劇・音楽・舞踊等の多彩なプログラムを上演し、1983（昭和58）年に開設された同校で舞台芸術の人材育成を行う。1994年には全国初の県立劇団となるピッコロ劇団を設立した。

　同校に集まるのは俳優業や舞台関係職を目指す人々だけでなく、地域で文化活動を担う人々や、演劇を趣味とする人々、表現力を身につけたいと願う人々など、立場も思いも異なる多彩な生徒たちだ。卒業生の進路もさまざまで、舞台芸術の第一線でプロとして活躍する人もいれば、教師を務める高校で演劇部顧問となる人、自身で劇団を旗揚げする人もいるという。現在、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台芸術学校には、合わせて102人の学生が在籍している。

　「地域に根差した演劇学校として、プロを目指す人に限らずより多くの人に演劇に触れてもらいたい。劇場は教室。演劇を通して学べることは無限にあり、人と出会い、人について知ることのできる最高の場だと思う。体験教室はとにかく楽しいので、心配せずに飛び込んできてほしい」と古川さん。

　開催時間は14時～16時30分。高校生以上が対象。参加無料、要予約（定員50人）。問い合わせは電話、ホームページで受け付ける。