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尼崎で怪異伝承シンポジウム 地域の記憶、遺産としての「怪談」を考える

ポスターには国芳「大物の浦平家の亡霊」があしらわれている

ポスターには国芳「大物の浦平家の亡霊」があしらわれている

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 尼崎商工会議所(尼崎市昭和通3、TEL 06-6411-2251)で7月16日、シンポジウム「地域歴史遺産としての怪異伝承~『尼崎百物語』を起点に~」が開催される。主催は園田学園女子大学。

「尼崎百物語」を手にほほ笑む大江教授

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 暮らしの中で語り伝えられ、生活の原感覚や土地の記憶が刻まれながらも、現代生活の中で失われつつある「怪異伝承」を掘り起こし、地域の歴史遺産として活用することを考える同シンポジウム。同大人間教育学部の大江篤教授、京都精華大文学部の堤邦彦教授をはじめとする歴史・文学の専門家4人による講演とディスカッションを行う。

 議題の中心となる「尼崎百物語」(大江篤編、神戸新聞総合出版センター)は、園田学園女子大学が作成中の、尼崎市内に伝わる伝説や怪談、昔話のデータベースから100話を選び解説した書籍で、今年4月に刊行された。同大学術研究員の久留島元さんは「同書で紹介される豊かな伝説を通し、近代の工業都市と思われがちな尼崎の意外な魅力を知ることができる。伝承地のマップや写真も掲載し、史跡ガイドとしても利用できる」と話す。シンポジウムでは、同書を起点に「妖怪、怪談の伝承が、実は地域の記憶を掘り起こす重要な手掛かりになることを、実例を交えて語り合う」という。

 久留島さんは「有名な怪談『耳無し芳一』の源流が実は尼崎にあること、尼崎と琵琶法師の活動の深い関係について、京都精華大の堤教授の講演も楽しみにしてもらいたい。市内や近隣に住む人々に、自分たちのよく知っている土地にどんな伝承が伝わっているのか、先人たちはなぜ、どのようにそれを伝えてきたのかを考える機会になれば」と期待を込める。

 13時開場、13時30分開会。入場無料。

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