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尼崎市の「防音室付きアパート」で実証実験会 ドラム演奏で「遮音効果」を体験

アパートの空きスペースに設置された防音室

アパートの空きスペースに設置された防音室

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 尼崎市瓦宮で11月1日~6日、防音室付き賃貸アパートの「防音体験・実証実験会」が行われた。

ドラマーの藤岡竜一さん。「バスドラだけ」など、要望に応じて演奏

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 杉原土地(尼崎市瓦宮2、TEL 06-6491-6339)が建設し賃貸するアパート「杉原エクセルマンション」の一部に設置された防音室の「遮音効果」を知ってもらおうと企画したもの。防音室にドラムセットを搬入し、ドラマーが実演。参加者には室外で効果を体験してもらう方法を採った。

 今回使用した防音室は、住宅建材メーカー「吉野石膏(せっこう)」が公開している遮音壁のデータを参考に、杉原土地の杉原正治社長が持つ独自の技術を組み合わせ、木造に応用したもの。室外で聞こえるドラムの演奏音は「ささやき声」程度の約30デシベルまで軽減できるという。

 杉原さんは約10年前、自身が所有するアパートに住んでいた学生の「アコースティックギターを弾きたい」という要望に応え、自ら「防音室第1号」を製作。その後も製作を続けたが、入居予定者から「チューバを練習したい」とリクエストされたことがきっかけで、「防音」へのさらなる研究が始まったという。杉原さんは「第1号がうまくいき、『いける』と思ったが、低音が響くチューバに耐えられる防音室は難しかった。失敗も含め、これでいろいろ勉強させてもらった」と振り返る。

 杉原さんには、多数の特許を持つ「発明家」の一面も。「1番ヒットしたのは、ロフトに上がりやすくできないかと考えた『互い違い階段』。他にも特許を取ったが、全然ヒットへつながらなかった」とはにかむ。

 空いている物件が設置に向いているか、どのような楽器を演奏したいのかなど、入居希望者と相談しながら、これからも増設する予定だという杉原さん。「性能が良いからと高額な値段ではなく、コスト面へも力を入れ、価格を抑えた防音室作りを心掛けたい。お断りする楽器は無いと言えるようなものを作りたい」と意気込む。

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