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尼崎で119番通報に多言語対応 城完成に向け外国人歓迎準備

「救急ボイストラ」の画面

「救急ボイストラ」の画面

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 尼崎市で4月1日から、外国人からの119番通報など、消防・救急活動時の多言語対応がスタートした。

定型文選択画面では「症状は良くなりましたか」「ヘリコプター搬送します」「アドレナリンを投与します」などのメッセージを選ぶことができる

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 訪日外国人が4000万人と予想される2020年オリンピックイヤー、2019年のラグビーワールドカップ日本開催、今秋に尼崎城が完成予定であることを受け、訪尼外国人観光客の急増を見込んで開始した。兵庫県では、全国に先駆けて2014年に導入した神戸市、姫路市、西宮市、芦屋市に続く。消防指令センターは伊丹市と共同で運用しており、同市でも同様のサービスを開始する。

 119番通報には、民間通訳業者を介して「三者間同時通訳」を行う。日本語でのコミュニケーションが困難な外国人などから消防指令センターに通報が入ると、センターから業者に通訳を依頼。指令センター員、外国語話者、通訳業者の三者間で通話しながら、相互通訳を行う。対応言語は、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語の5カ国語。24時間、365日対応する。

 救急や災害現場での対応には、これに加えて多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」も導入する。同アプリには、救急現場で使用頻度が高い会話内容を定型文として登録してあり、音声と画面の文字を使ってコミュニケーションを取ることができる。救急隊に配備するタブレット端末にインストールし、救急現場で傷病者に対応する際に使う。15言語に対応している。

 市消防局情報指令課の本荘芳成さんは「さっそく4月に、救急現場で片言の日本語しか話せない傷病者に『救急ボイストラ』を使用し、医療機関搬送に必要な情報を得ることができた。4月中旬に警察官を要請する内容の119番通報があった時も、三者間通話でスムーズな意思疎通が図れた」と話す。

 「尼崎を訪れる外国人の方には、安心して食・文化や、尼崎城を楽しんで良い思い出をつくってもらいたい。もし119番通報する時は落ち着いて、通訳が対応するまで電話を切らずに待って。万が一に備え、ホテル宿泊時には避難経路を確認し、消防隊や従業員の指示に従ってほしい」とも。

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