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尼崎の水産会社が鹿肉ペットフード開発 ジビエ活用し愛犬を元気に

畑部さんと妻で広報担当のみずほさん。事務所を置く尾浜商店街にて

畑部さんと妻で広報担当のみずほさん。事務所を置く尾浜商店街にて

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 尼崎の「一心水産」(尼崎市名神町3、TEL 06-6428-6005)が4月1日、兵庫県産ニホン鹿を使ったペットフードの販売をスタートした。

みずほさんと愛犬のデアさん(ウィペット、雄)。「大切な家族であるペットに健康で長生きしてもらうため、食事からサポートしたい」と畑部さん

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 国産鮮魚を主な原料とする「漁港産直ジャーキー」など、無添加・無着色の自然派ペットフードを製造・販売する同社。西宮・鳴尾浜の水産会社の一部門として2014年に事業を開始し、独立・分社化して2017年に尼崎に本拠を構えた。

 同社が開発した「ナチュラルランド」シリーズに使用する鹿肉は、兵庫県の山間部で狩猟・捕獲されたニホン鹿。現地で一次加工した肉を仕入れ、菌の繁殖を防ぐため丁寧に手作業で酸性水洗浄し、部位別にカット。ジャーキーは8時間以上かけて乾燥加工し、生肉製品はマイナス60度で冷凍・エイジングを行う。

 社長の畑部博彦さんは「おととしに養父(やぶ)市の猟友会から相談を受け、検討を始めた。鹿肉は高タンパクで低カロリー、スーパーフードと言ってもいい食材。兵庫県が狩猟肉の活用に本格的に乗り出し、仕入れルートが確実になり商品化が実現した」と話す。

 国内各地で鹿の生息地が過密化し、森林生態系や周辺の農作物への被害が深刻化している。一方で、頭数調整のために捕獲された鹿の多くはジビエとして活用されることなく地中に埋められるなどの処理がされているという。兵庫県行政機関が把握している頭数としては、捕獲数約4万4千頭に対し、活用頭数は10%にも満たない約3900頭とされる(2016年度)。

 県内では、鹿肉処理加工施設や飲食店などが協働しジビエ料理をPRする「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」や、関連企業の連合体「兵庫県シカ・イノシシ丸ごと1頭活用コンソーシアム」創設といった動きが広がっている。同社はその2組織に加盟している。

 畑部さんは「本来、肉食である犬・猫たちには理想的な食材。ジャーキーは1日1回おやつに与えると歯垢除去できてオーラルケアにもなる。生肉は貴重な食物酵素を含み、食欲が落ちて固い物が食せなくなってきたシニア犬にもお薦め。ローフードに慣れないうちは表面だけ軽く加熱して与え、少しずつ慣れさせて」と話す。

 商品は「ナチュラルランドジャーキー ニホン鹿スペアリブWILDジャーキー」(1,944円)、「同 背ローススライス」「同 モモスライス」(以上810円)、生肉の「ナチュラルランド ニホン鹿ヘレ肉200グラム」(400円)、「同 サイコロ型ミックスミンチ500グラム」(562円)、「同 モモ肉1キロ」(1,264円)など。全国の取扱店のほか、自社オンラインショップでも販売する。

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